【お遍路女子一人歩き】12番札所・焼山寺|区切り打ち第2回 3日目《2022年11月》3泊6日⑥(通算6日目)
12番札所~13番札所 へんろ道
焼山寺から、まずはコンクリートの道をうねうねと下って行きます。
時刻は15時48分……( ´ A ` 。 ) 11月なので日も暮れ出し、少しでも早く宿へ到着したいです。
と思ったらまさかの山道。謎の獣が目の前を走り去っていくところを目撃してしまい、急に怖くなってきました。イノシシやクマは焼山寺山ではほとんど出ないと聞きますが、地元の方によると全くいないというわけではないそうですヽ(;∀;)ノ
杖杉庵
焼山寺で御朱印をいただいた、番外霊場の杖杉庵へ到着v
この場所はお遍路さんの中ではきっと有名だと思います。衛門三郎の最期の場所として知られていて、ある一つの伝説が残っているのです。
左側が衛門三郎、右側が弘法大師。
衛門三郎は平安時代の豪族で、権力のままに好き勝手振舞っていたそうなのですが、ある時托鉢に訪れた僧(=弘法大師)のこともこっぴどく追い払ってしまったと。 その後、三郎の8人の子どもは毎日1人ずつ、最終的には全員が亡くなってしまい……。 衛門三郎は、自分が追い払った相手は弘法大師だったのだということに気が付き、四国を周っているという大師に会って詫びるため、全てを手放し四国八十八箇所の巡礼の旅へ出るのです。
21度目の逆打ちの時、ようやくこの場所で弘法大師と会うことができた衛門三郎は非を詫び許されました。
弘法大師に「来世は願いが叶う」と言われ、衛門三郎は「一国の国司に生まれたい」と回答。
大師は衛門三郎に石を握らせて、その願いは叶うだろうと言うと、衛門三郎は息絶えたそうです。
・・・・・・子どもは?????
あの、衛門三郎に対する仕打ちがあまりにも酷すぎるというか……。仮に衛門三郎が極悪非道な人物だったとしても、子どもじゃなくて直接本人に罰がいけば良いのに( ´ A ` 。 )
衛門三郎は子どものことを祈るどころか、最後の最後まで自分が国司に生まれ変わりたいと回答。大師もそこに違和感を感じることなく「これにて一件落着」といった調子。
昔の価値観って怖い…………。
もちろんこの話は伝説で、お遍路を信仰者へ落とし込むために作られたものだと考えられますが、空海を都合よく私物化したようなエピソードは結構あります。個人的には、衛門三郎よりも、杖杉庵の伝説などからお遍路という文化を定着させた方にこそ商売人としての才能があると思うのです。
最初、わたしは弘法大師ひどいと思っていたのですが、子ども達が亡くなったのは空海がそう決めたからではなくて、仏に愛されている空海を乏しめたことによる天の怒り的なものだと地元の方達から伺ってそこは安心いたしましたヽ(;∀;)ノ
杖杉庵で少し休憩していたところ、車遍路のご夫婦にお会いしました。
焼山寺を徒歩でおまいりしてきたことを伝えるとびっくりされ、自分達にもできるかな?とのこと。全然できますよお(なんて適当な)とお答えしたら明日行くと言っていました。あの時のご夫婦、大丈夫でしたか。
杖杉庵は車でもアクセス可能なコンクリートの道沿いにありますが、歩き遍路の下りはまたしても山道へ入ります。
目に入る景色が山ばっかりです。山を見る度、今日はあの山を登ってきたんだよ……という設定で感慨深い気持ちになっていました。
すだち庵
本日のお宿へ到着v
大体17時30分くらいにチェックインできました。この日はわたしの他にも宿泊者がたくさんいて賑わっている様子。
このくらいの時間までに到着できると、希望者限定で神山温泉まで車で連れて行っていただけます。わたしも行きたかったのですが……体調的に難しく断念ヽ(;∀;)ノ もちろん宿にもお風呂があるので行かなくても大丈夫です。
ところで、藤井寺から焼山寺に入ってすぐに出会った女性お遍路さん。彼女の姿が見当たらなかったので不安だったのですが……無事に焼山寺に到着できたようで、わたしがシャワーを終えた頃に再開できました( ´ A ` 。 ) 良かった良かった。
夜ご飯はカレーでしたv
ボリュームがあったのでお腹いっぱいになりました。足りなければ有料でおかわりもできます。
すだち庵さん、歩き遍路さんにはかなりおすすめかも……。何が良いって、宿泊者の方々。アクセス上、車遍路の方はあまり利用されないのか、わたしが宿泊した時は全員が歩きのお遍路さんでしたので会話が弾みました。
オーナーからはお遍路の怖い話を聞けて楽しかったです。そういうのもっとください。
そしてなんと、お遍路を始めてから宿では初。女性一人歩きのお遍路さんなんと3人に同時にお会いできて、しかも年齢の近い方もいらっしゃって、わたし的には一番テンションが上がった瞬間でしたv お遍路のために徳島へ移住された方もいらっしゃいました。わたしも実家暮らしだったらマンスリー契約して週末遍路していたと思います、うらやましいです。
食事は2部制なので、食べ終わった後は早めに部屋へ退散。
そうそう、焼山寺への道中は自販機が一切ありませんが、わたしの場合555mlのペットボトル2本を用意してもほとんど飲みませんでした。
しかも一本は朝起きた時にそこそこ飲んでいたので、結局山道では250mlも飲んでいない計算になります。
11月の涼しいタイミング、塩あめで塩分を補給できていたことなど、のどが渇かなかった要因はいくつかありますが、少しでも参考になれば幸いです。
20時30分入眠。睡眠大好き人間が、家事も仕事もしないで良い環境でたくさんからだを動かすとこうなります。
お遍路宿では団らんも醍醐味の一つですが、わたしの場合は交流は食事中にとどめて食べ終わった後は真っ先にお布団にダイブしてしまいます( ´ A ` 。 )
明日は山道をくだり、そして東京へ帰る日。体力と相談しつつ歩けるところまで歩きたいと思いますv
それではまたお会いしましょう。
【余談】あわらくやさんから送られてきたバックパックに充電器が結び付けてありましたヽ(;∀;)ノ わたし、充電器差しっぱなしだったのか……ヽ(;∀;)ノ 危ない危ない。気付いてくださってありがとうございます。
焼山寺の納経所で嫌な思いしたことないですけどね〜
たぶん納経受ける側の問題もあるかと・・・・
豊後のさん>コメントありがとうございます!
焼山寺の件については、ある遍路宿のご主人との話題に出たことがあり
聞くには、何人かいるアルバイトの方の中におひとりだけ癖のある方がいらっしゃるそうです( ´ A ` 。 )
縁故の関係で強く注意できる人もいないのだとか……(ここだけの話)。
わたしが接したのはとても素敵な方だったので良かったです!