【読書記録】2026年2月

2026年2月。
今月も読んだ本を記録していきたいと思います。
Contents
『余命一年、男をかう』¦吉川トリコ

毎日のお弁当に冷凍食品を入れることすら惜しむ”吝嗇家”と言っても過言ではないような、貯金とキルトが趣味の40歳の独身女性・片倉唯が、無料で受けた子宮頸がん検診でガン宣告をされ―。
唯は誰がどこからどう見ても地味な女性に見えるのだろうけれど、実際のところめちゃくちゃ強情な力強い女で侮れない。
買われたホストの瀬名は、チャラい外面に反して繊細で義理堅くちょっと上手い話過ぎない?!とすら思ってしまうところもありつつ、お金という歪な関係で結ばれたふたりが人間として打ち解けて行く様子にぐいぐい引き込まれてあっという間に読了。
節約人生だからといって毎日がつまらないわけでもない。 お金って必ず使い時がくるものなのかなと思わせてくれた一冊。
柴咲コウと赤楚衛二でネトフリで映画化されるらしく、観てみたいかも。
『欲しがりません勝つまでは』¦田辺聖子

このピンクの装丁が本当に可愛いくて思わずマイメロちゃんと並べてみてしまったけれど、タイトルから察せられるように中身はもちろん戦争の話。
10代後半を第二次世界大戦の中で過ごしたエッセイ。
かなりの文学少女で、読むだけでなく自身もノートに色々な物語を書いていたという田辺聖子さん。
わたしのような素人からしたらどの作品もスケールが大きくて高レベルで、やっぱり作家さんになる人は若い頃から違うなぁとびっくりするんだけれど、大人の田辺聖子さんは、少女の自分自身に容赦なく忖度ないツッコミを入れていく。
それが楽しくて、とても暖かい気持ちで読み進めることができた。
でも、平和な生活は真珠湾攻撃、そして開戦宣言から少しずつ世の中の流れとともに崩れていく。
じわじわと自由が奪われていく様子や、空襲の場面は胸が締め付けられるようだった。
戦争に懐疑的な大人たちがいる一方で、田辺聖子さんを含む純粋な若者たちは天皇のために殉死することは使命だと感じている。
けれどその若者たちも、特殊な環境下でそう信じ込んでしまっているだけなのではないか。
自分でも気づかないうちに本音を見失ってしまう戦争は恐ろしいと思ったし、それでも大好きな文学を軸に10代を等身大で生き抜く姿はあまりにも瑞々しくて眩しかった。
『好きよ、トウモロコシ。』¦中前結花

インスタでよく流れてきていて、タイトルが気になって手に取った一冊。
雑食を自負するわたしだけれど、正直言って、久しぶりに肌の合わない本に出会ってしまった。
エッセイにおいて、身近な人を失くすという経験に触れられると読み手としてはどうしても涙を誘われてしまうもの。それ以外のディテールや言葉選びが、わたしには甘やかに感じられたのかもしれない。
『寺村輝夫のむかし話 日本むかしばなし3』¦寺村輝夫

第1、2巻と続いて第3巻に突入。
今回は超衝撃的な展開のうりこひめを始め、ハードな内容が多かったかも。
日本の昔話だけではなくアンデルセン童話やグリム童話もちょっと怖い話があるけれど、どうしてだろう。
教育面での注意喚起的な意味合いが強いのか、科学の力が今よりも及んでいない分、自然や野生に対する恐怖の度合いが全く違うのだろうか。
第4巻はどんなおはなしが出てくるのか楽しみ。
『白鯨(下)』¦メルヴィル

ついに白鯨全巻読了。
本を閉じたとき、わたしの手の中に残ったのは「一生の宝物」という言葉では掬いきれない、深海から引き揚げられたばかりの、重く、冷たく、それでいて心臓を激しく叩くような「何か」だ。
何度でもエイハブ船長と一緒に旅をして、あの怪物を討伐しに行きたい。もう二度と、この本を読む前の平穏な海を見ることはできないだろうと思う。
イシュメールが神の視点で語り手を務めることについて、間に鯨学に関する雑学が挟まることについて、あとがきの考察も必読。
『時間のかかる読書』¦宮沢章夫

小一時間もあれば読み切れてしまう文量の横光利一の短編「機械」を11年かけて読むという気の遠くなるような一冊。
タイトルに倣って、わたしもかなりの時間をかけて読了。
一行一行立ち止まって、時には劇作家ならではの視点からツッコミを入れていく宮沢さんのコメントが面白かった。
ちなみにわたしは「機械」を読んだことがなかったけれど、最後にそのまま掲載されているから大丈夫。
「機械」そのものの感想としては、最後の巻き取りがものすごい引力で余韻の残る短編だった。
読書界隈では速読に寄りがちな風潮のある今日この頃だけれど、たまには立ち止まって一冊の本をじっくり読んでみるのも悪くない(それにしても11年は長い)。
『風呂ソムリエ 天天コーポレーション入浴剤開発室』¦青木祐子

青木祐子さんのお仕事小説、元気になれるから定期的に読みたくなる。
ゆいみと美月が派遣と正社員の垣根を超えてお互いに支え合っているのが素敵。
入浴剤の開発をする会社が舞台という設定が真新しくて面白かった。
あとがきによると株式会社バスクリンに取材をしたということだから、開発の過程とか実態に近いものがあるのかも。そう思うととても興味深い。
お風呂は温泉に行く時以外そこまでこだわりがなく、どっちかというとキャンセルしたいけど社会人として何とか毎日入っている界隈のわたしだけれど、これからは少しはお風呂タイムを楽しんでみたいなあなんて思ってみたり。
『トビマツショウイチロウの世界 100枚レターブック』¦トビマツショウイチロウ

どのページもとってもかわいくて本当に贅沢。
本好きとしては、本の体裁をとってくれているのがとてもありがたいところ。
これなら全部使いきれなくても罪悪感がないし、全部使いきれたら嬉しいし、持っているだけで勝ちを確信してしまったヽ(;∀;)ノ
最近ハマりたてのトラベラーズノートのデコに鋭意使用中。
『山小屋ごはん』¦松本理恵

あちこちの山小屋を訪れて、その山小屋の自慢のごはん達を紹介していくエッセイ。
惚れ惚れする素敵な写真と、そのごはんにまつわる山小屋のエピソードがたまらない。
98歳のおじいちゃんが握るおにぎり、ハヤシライスの秘密、山小屋で食べられるフレンチのコースに酒飲みとしては見逃せないイワナ骨酒―
山小屋というと選択肢がないような消極的なイメージだったけれど、この山小屋に行きたいと思って行く旅がしてみたいと思った。
『小さいわたし』¦益田ミリ

子どもの時ってこんなこと考えてたなあと、すっかり忘れていたけれど、言われたら思い出すようなことがたくさん溢れている素敵なエッセイ。
ちょっとしたことで急に心配になっちゃったりするし、
大人からしたら「なんでそんなことするの?!」な行動にも自分なりの理屈がしっかりとあって、でも変だと思われそうだから言えない。
どうして益田ミリさんはこんなたくさんのエピソードを書き出せるんだろうか。
いつもいつもほんわかとしたエッセイなのに、怖くなるくらい感情の救い上げが的確なところに凄みがある。
子どもの気持ちの感情があまりにも思い出とリンクして、懐かしさについ涙が出そうになってしまう。
BOOK CAFE 『本で旅する Via』にて

『いつかは行きたい 一生に一度だけの旅 BEST5000』

『車のおうちで旅をする』¦いとうみゆき
というわけで、今月は12冊読みましたv
3月は、お仕事やらお引越しやらイベント参戦()やらで忙しくなる予感。なのに読みたい本は増える一方。
なんとか間を縫って読書を楽しみたい所存です。


